ラクスルで冊子を印刷するときは、読む順番にページを並べたデータさえ用意すれば、専門的な面付け作業を自分で行う手間はかかりません。
公式の無料テンプレートが揃っているため、Illustratorを持っていなくても、普段使い慣れたWordやPowerPointで作ったデータをそのまま入稿できます。
仕上がりサイズや塗り足し、ページ数の計算、フォント設定に不備が残っていると、データの再入稿が必要になって、希望の納期に間に合わなくなることがあります。
私自身、B5サイズ・16ページの中綴じ冊子を2万部発注した経験から、注文前に必ず見直しておきたいポイントをまとめました。
すでに手元に原稿データが揃っているなら、先に料金と出荷予定日を確かめておくと、その後のスケジュールがぐっと立てやすくなります。
もくじ
面付けをお任せできる安心感と、過去の苦い失敗
冊子を初めて作るとき、多くの方が一番頭を抱えるのが、ページの並べ方ではないでしょうか。
家庭用のプリンターで冊子を作ろうとすると、表紙の隣に裏表紙を配置するなど、刷り上がって二つ折りにしたときに正しい順序になるよう、あらかじめデータを並べ替えなければなりません。
この作業を「面付け」と呼びます。手作業でページを組み替えようとすると、表紙と裏表紙が逆になったり、途中のページが抜け落ちたりといったミスが、どうしても起こりがちです。
ラクスルの冊子印刷なら、めくる順番どおりにP1、P2、P3、P4とページを並べておくだけで、印刷用の面付けは、ラクスル側で処理してくれます。
見開きデータで作るよりも、1ページずつ独立した「単ページ」のデータで作成したほうが、画面上でも前後のつながりを確認しやすくて安心です。
こうした仕組みのありがたみを痛感しているのは、私自身に、冊子印刷での忘れられない失敗があるからです。
以前、1000部のカタログを印刷会社へ発注したときのことです。しっかり確認したつもりでデータを入稿したのですが、届いたカタログを見て、言葉を失いました。表紙と裏表紙が、逆になっていたのです。
1000部すべてを刷り直す時間はなかったので、両面カラーコピーで直して、手作業で対応しました。
余計にかかった印刷代や作業時間もつらかったのですが、何よりこたえたのは、クライアントの信用を失って、その後の仕事につながらなかったことです。
「構造くらい理解している」「たぶん合っているはずだ」という思い込みが、大きな失敗になりました。
この経験から、冊子を刷るときは、価格の安さ以上に、ページの並び順を確認しやすいこと、そして入稿データをチェックしてもらえることを大事に考えています。
ラクスルが向いている人、対面の印刷所が向いている人
ネット印刷にも、向き不向きがあります。ラクスルが向いているのは、次のような方です。
- 初めて会社案内、PTA会報、商品カタログなどを作る
- デザインソフトがなく、WordやPowerPointでデータを作りたい
- 自分で面付けをする自信がなく、並び順の間違いを避けたい
- 納期と部数のバランスを見ながら、予算に合わせて料金を決めたい
ラクスルの注文画面は、部数、用紙の種類、ページ数、出荷までの日数を切り替えながら、料金を比べられます。
同じ仕様でも、出荷日を数日延ばすだけで、料金が変わることがあります。
一方で、紙の手触りや色味に強いこだわりがある方、特殊な製本や加工をしたい方は、対面で相談できる印刷会社のほうが、納得のいく仕上がりになることがあります。一般的な仕様の冊子を、分かりやすい手順で、費用を抑えて頼みたい。そんな方に使いやすいサービスです。
最初に決めておく3つの製本方法
データを作り始める前に、まず「どの綴じ方にするか」を決めておきます。主な方法は、次の3つです。
中綴じは、紙を二つ折りにして、真ん中を針金で留める製本です。会社案内、イベントのプログラム、PTA会報など、ページ数が少なめの冊子に向いています。真ん中まで開くので、見開きいっぱいに写真やイラストを載せたいときにも便利です。1枚の紙の表裏で4ページ分になるため、総ページ数は4の倍数(8、12、16、20ページなど)で設計します。
無線綴じは、本文の背を糊で固めて、表紙でくるむ製本です。書籍や、厚みのあるカタログのような見た目になります。記念誌、マニュアル、ページ数の多い資料集に向いています。ページ数や用紙によっては、完全に開きにくいので、文字や重要な写真を綴じ部分ぎりぎりに置かないよう、注意してください。
スクラム製本は、二つ折りにした紙を重ねて、針金も糊も使わない製本です。フリーペーパーや、地域の広報紙に向いています。手軽ですが、ページが外れやすい点は、知っておいてください。
迷ったら、ページ数が少なくて一般的な冊子なら中綴じ、ページ数が多くて本らしくしたいなら無線綴じから考えると、選びやすいと思います。
入稿ミスを防ぐ8つの点検リスト
レイアウトが完成したからといって、すぐ注文ボタンを押すのはやめましょう。
入稿の直前に、次の8項目を上から順に確認してみてください。
- ページ数が製本の条件を満たしているか 中綴じは、表紙と裏表紙を含めて4の倍数にします。16ページなら、表紙が1ページ目、本文が2〜15ページ目、裏表紙が16ページ目です。中身が足りないときは、メモ欄や写真を大きく見せるページなどで調整します。
- 単ページのデータが、順番どおりに並んでいるか ファイル名を「P01、P02、P03」のように桁数をそろえておくと、10ページを超えても、パソコン上で順番が乱れません。
- 文字やロゴが、仕上がり線の端に寄りすぎていないか 紙を断裁するときには、ごくわずかなズレが出ます。切れては困る文字、ロゴ、ページ番号、QRコードは、テンプレートの安全範囲の内側に収めます。
- 端まで色を入れる部分に、塗り足しがあるか ページの端いっぱいまで写真や背景色を敷くなら、仕上がりサイズの外側まで、絵柄をはみ出させておきます。塗り足しを忘れると、断裁のズレで、用紙の端に白い隙間が出ます。
- 画像の解像度が、印刷に耐えられるか スマホの画面ではきれいに見える画像でも、紙に印刷すると、粗くぼやけることがあります。小さな画像を、無理に引き伸ばしていないか確認してください。
- 文字のアウトライン化と、画像の埋め込みが済んでいるか Illustratorで入稿するなら、フォントのアウトライン化と、リンク画像の確認を忘れずに行います。不安なら、最終データをPDFにして入稿すると、確認しやすくなります。
- QRコードが、正しく読み取れるか 原寸で一度、紙に印刷して、スマホで読み取ります。URLが正しいか、コードの周りに余白があるかも確かめてください。
- 縮小プリントで、手作りの見本を作ったか A4用紙などに縮小印刷して、ページ順に重ね、実際に手でめくってみます。表紙と裏表紙の向き、ページ番号のズレ、白紙ページの混入などに気づけます。手間はかかりますが、何千部も刷ったあとに間違いに気づくよりは、ずっとましです。
スピードチェックとオペレーターチェックの使い分け
ラクスルでは、注文の手続きをしたあとに、データをアップロードします。
そのときのチェック方法は、「スピードチェック」と「オペレーターチェック」の2通りです。
スピードチェックは、システムが自動でデータを確認する方法です。公式案内では、データチェックは数分から10分程度が目安とされています。
アップロードのあとに仕上がりイメージを見て、自分でデータを確定できるので、納期を急ぐときに便利です。ただ、誤字、電話番号の間違い、写真の選び間違いなど、デザインの内容までは判断してくれません。
オペレーターチェックは、担当者が印刷データを確認する方法です。データに問題があれば連絡が入るので、初めて冊子を入稿する方や、部数の多い印刷を控えている方に向いています。ただ、確認に時間がかかります。誤字脱字やページ内容を校正するサービスでもないので、電話番号、開催日、価格、URL、目次などは、自分で確認してください。
データ作成に慣れていて、納期を優先したいなら、スピードチェック。
初めての入稿、または大量の注文で、やり直しが難しいなら、オペレーターチェックです。私は、大量の部数を急いで注文したとき、オペレーターチェックと、優先対応のオプションを使いました。料金や対応時間は変わることがあるので、注文時の案内を見てください。
2万部を注文して分かった、荷物の大きさ
私は以前、ラクスルでB5サイズ・16ページ・両面カラーの中綴じ冊子を、合計2万部注文しました。
最初に1万部を、納期を優先して短い出荷日程で注文して、あとで同じデータで、1万部を追加しました。初回のデータが保存されていたので、再注文は、設定をやり直さずに、わりとスムーズに頼めました。仕上がりもきれいで、予定の納期に間に合いました。
想像以上だったのは、荷物の大きさです。1万部は、ダンボール約25箱。1箱に約400部が入っていて、予想より大きくて重かったです。
大量に頼むときは、印刷料金だけでなく、荷物の保管場所、搬入の経路、荷受けする人、納品先までの運び方も、決めておく必要があります。使う場所やクライアントの住所を、最初から配送先にしておくと、運ぶ手間が減ります。
印刷料金を抑える3つの考え方
ラクスルの料金は、サイズや部数だけでなく、用紙、ページ数、カラー、加工、出荷日でも変わります。少しでも抑えたいなら、次の3点を意識してみてください。
出荷日を複数比べる。 急がないなら、最短の出荷日だけで決めないでください。納品してほしい日から逆算して、間に合う範囲で、いくつかの出荷日を比べます。
本文の用紙を厚くしすぎない。 全ページの紙を厚くすると、料金も重さも増えます。表紙だけ厚めにして、本文は標準の用紙にする方法もあります。
配り切れる部数を、現実的に計算する。 部数を増やすと、1冊あたりの単価が下がることがあります。でも、配り切れずに処分することになれば、結果的に高い買い物です。配布数や来場者数から、必要な部数を出してください。足りなくなったら、同じデータで追加注文する方法もあります。
入稿ボタンを押したあとも、油断しない
データのアップロードが終わると、ほっとしますが、本当の完了は、もう少し先です。
入稿のあとに、「データの確認をお願いします」といった連絡が届くことがあります。
確認が必要な状態で止まっていると、印刷が進まず、出荷日が遅れてしまいます。入稿したら、登録したメールやマイページの進み具合を確認して、承認を求められたら、早めに対応してください。
事前の準備をしておけば、ラクスルでの冊子づくりは、難しくありません。まずは商品ページで、作りたいサイズと、おおよその部数を入れて、実際の料金と納期を確かめてみてください。
※印刷料金、対応サイズ、納期、入稿方式などは、変更される場合があります。注文前に、ラクスル公式サイトで最新の情報を確認してください。
ネット印刷会社を比べてから決めたい方へ
ラクスルだけでなく、ほかのネット印刷会社とも比べたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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